「メディアが報道したくなる6つの話題」では、新規性/革新性、優位性/希少性、意外性/ユニークさ、季節性/適時性、公益性/社会性、地域性に大きく分けた6つを、メディアが取り上げやすい話題の観点とお伝えしました。
この6観点(細かく分ければ11観点)に当てはまりそうな素材を発掘して、メディアに提供できる情報として磨いていくわけですが、素材を見つけるのは難しいものです。
新しいアウトプットだけが素材ではありません
メディア報道では「NEWS」が目立ちますので、どうしても「新商品」「新技術」「新サービス」「新拠点」などの新しい「アウトプット」にばかり考えが偏ってしまい、それらの中で、意外性や適時性、公益性などの観点を考えてしまいます。それらは言うまでもなく強力な素材ですが、新しいアウトプットというのは、そんなにはありません。そして「ウチにはやっぱり素材がない!」と諦めてしまうことになります。
しかし、実は、メディア報道をよく見ると、新しいアウトプットだけを単発的に取り上げるケースのほかに、そのアウトプットを生み出した企業活動の過程や、関わった人に焦点をあてて報道しているケースが多々あります。むしろ、報道の扱いとしてはそちらの方が大きくなるケースが多いです。
フレームワークで領域を狭めて考える
漠然と考えてもついつい見落としてしまいますので、フレームワークを設定して、各象限に何かしらあるはずだと信じながら現状を調べて埋めていくと(素材が埋まらない象限や重なる象限もでてきますが)、思いのほか、題材になるものを見つけやすくなります。
下図はメーカーの場合の一例です。商品やサービスを生み出す各プロセスで何か題材がないか探索するためのものです。プロセス以外のところは「経営」という言葉で一括りにしていますが、細分化しても構いません。また、他の業種でしたら、仕事の塊感ごとに横軸を考えてみます。要は、ある程度考える領域を絞ることで、素材が見つけやすくなればよいだけのことです。
世間の話題を軸に考えてみる
この作業の目的は、メディアが報道してくれそうな素材が社内に隠れていないか掘り出すことです。であれば、逆に、最近の世間やメディアの関心事項(適時性のある話題)を先に設定して、それに合致する素材がないかを探るのも近道です。
例えば、「働き方改革」、「環境問題(特に脱炭素)への取り組み」、「コロナ禍でのスムーズな企業運営」といった世間の関心事項それぞれに関してシートを分けて考えてみると、素材を出しやすく、また、メディア向けの資料としてまとめやすくなります。
社内で素材を出せない場合は
社内で普通に見聞きして慣れてしまうと、実は価値があることに気づかない場合も出てきます。特に、優位性や希少性の観点は、他との比較になりますので、その業界や社会全般の状況に目を配りながら考えなければなりません。
私が知っている企業の中にも、取引関係にある同業者からの指摘で、実はすごい技術を持っていることを認識できた方もいらっしゃいます。このように、社外の第三者を交えて考えるのも客観的な評価が得られて良いと思います。また、メディアの視点がわかる外部の広報コンサルタントを交えて検討するのも一つの手ですのでご活用いただければ幸いです。