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一足早く導入した男性育休制度で企業認知度を向上

モノ以外の広報材料

新製品や新技術など、「新しい」モノにメディアは反応します。ただ、大企業と異なり中堅企業は新商品を次々と生み出してメディアの関心を維持していくという芸当はできません。それでも諦める必要は全くありません。「社内に隠れている広報素材の見つけ方」に記載したように、経営者の考え方、働く人々、社内制度、財務戦略など、世の中の参考になるユニークな取り組みがあれば、それは十分にメディアに提供する価値があります。

「なぜ今の時期にその内容を報道した方が良いと思えるのか」という、報道側の立場で考えた必要性(報道の「大義」)を添えてアプローチすれば、きっと反応を示してくれるメディアがあります。「時期」の絡め方には「二十四節気」「記念日」「公的機関の統計発表」「イベント」などいくつかの定石があり、それらと強く関連付けられればしめたものです。

男性育休の話題

今回報道されたお客様との日頃の打ち合わせの中で、男性育休をいち早く制度化し、しかも取得率が対象者の100%となっていることがわかりました。本年6月に育児介護休業法が改正され、最近でこそ大手企業を中心に男性育休は取得率が高まりつつあります。しかし、少人数で回している企業の場合は、休暇を取った社員の仕事を他の社員で吸収するのは難しいのが実情で、大手企業ほど取得は進んでいません。中堅企業で取得率100%は、政府やメディアにとっても制度のPRに使える話題です。

本年8月30日に、それまで未定だった国の男性育休制度の一部の項目の施行日が来年10月からということが決定しました(その他は来年4月から施行)。この時はまだパラリンピック開催中であり、メディアの方も何かと時間を取られていますので、閉会の翌日に、「多様性」というパラリンピックの余韻が強く残っているタイミングで、男性育休の話題をディレクターに個別にお話しさせていただきました。

報道にいたるまで

「シリタカ!」は、報道色が比較的強い情報番組です。ストレートニュースではカバーしきれない幅広く深い話題を、いつもわかりやすく報道されています。今回の男性育休の話にもすぐに興味を示していただけました。

お客様を交えて事前の打ち合わせを行っていく中で、たまたま、もうすぐ子供さんが生まれそうで育休をとる予定の男性社員がいることが判明。社員本人と奥様(実は既に産休中の奥様も社員で、しかもお二人とも係長という役職つき)の了承を得たのち、誕生の前後も含めて急いで取材を進めようとしたところ、大型の台風が近づいたためにディレクターがそちらに時間をとられて打ち合わせが出来なかったり、出産が予定より1週間早まってしまったりと、事前に予期しなかったことも多々ありました。その都度、取材される社員の方も臨機応変に対応いただけて、何とか無事に可愛い赤ちゃんとともに子育てに奮闘するご両人の様子を取材させていただくことができました。

この両人の部下の方にも上司が育休を取ることに対する感想を取材したのですが、この方も12月に子供が生まれるとのことで、「上司が育休をとっているので、自分も心置きなく育休がとれる」という、会社の広報の方もインタビューの場で初めて知ったおまけまでつきました。

成功の秘訣

この会社はまだ中堅企業で社員数もそんなには多くありません。広報担当の方は、総務・人事の仕事にも携わっており、個々の社員とも普段から密接にコミュニケーションをとっています。今回の案件は社員のプライバシーにかかわる話でもありますので、一般的には嫌がられる場合もあるのですが、非常にすんなりと受け入れてもらえました。そのような機動力が、10月22日放送の急な別件取材の依頼にもつながったのだと思います。

一足早く導入した男性育休制度で企業認知度を向上
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